債務整理にかかる費用はどれくらい?弁護士にいくら払うのか

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債務整理にかかる費用はどれくらい?弁護士にいくら払うのか

実際の相場よりも高いイメージがある弁護士費用

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平成16年4月1日までは料金規定があった。

例えば裁判などで慰謝料などを請求して勝訴しても、得をするのは弁護士だけかのような印象はないでしょうか。また、ある人は「5〜6人の子供が大きなケーキの分け方をめぐって喧嘩をしているところに1人の大人が現れて、それぞれの子供にケーキを分けたのはいいけれど、ちゃっかりケーキの半分ほどを自分のものにした。それが弁護士というものだ!」といいます。実際のところはどうなのでしょうか?

グレーゾーン金利が問題となり、「借金が完済となるうえに過払い金がもどってくる」と話題になった過払い金請求で、司法書士や弁護士が注目されています。

日本弁護士連合会では平成16年4月1日まで「報酬等基準」として報酬規定を定めていました。これが弁護士法の改正でこの規定を廃止しています。ここでは「旧報酬規定」ということにします。それ以外は原則として依頼主との協議で弁護士報酬の金額が決まるので、規定はありません。

ただし、 それ以降、消費者や零細事業者の債務整理に関しては報酬金の上限が定められました。

その旧報酬規定によると・・

一般法律相談料は30分あたり5000円から2万5000円。着手金は事件の『経済的な利益』の額が

  • 300万円以下のケースで経済的利益の 8%
  • 300万円から3000 円以下では 5%+9万円
  • 3000万円から3億円以下で 3%+69 円
  • 3 億円以上 2%+369 万円

報酬金は事件の『経済的な利益』の額が

  • 300万円以下では経済的利益の 16%
  • 300万円から3000万円以下では 10%+18万円
  • 3000万円から3億円以下で 6%+138万円
  • 3 億円以上 4%+738万円

『経済的な利益』とは、弁護士に依頼することで得られる利益のことで、例えば弁護士に過払い金請求を依頼して200万円の過払い利息が戻ってくることが期待できるなら経済的な利益は200万円ということになります。その場合、着手金は16万円、報酬金は32万円となるわけです。

そこに弁護士の日当や業務上にかかる経費などが加わりますので、50万円以上。「弁護士費用は高い」というイメージは旧報酬規定で定められていた時代のものといえるでしょう。

さらに訴訟にまで及ばない調停や示談交渉の場合は、その金額を3分の2まで減額、つまり3分の1値引きすることもできると規定されています。その他、刑事事件や離婚、会社更生の場合などは別の金額で規定されていますが、債務整理などの場合は上記のとおりです。

旧報酬規定廃止の後はどうなった?

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旧報酬規定から新たな上限規制へ

ほとんどの法律事務所が、「着手金・報酬金・その他諸々の費用」といった旧報酬規定の料金体系をふまえつつ、その金額の方は少し安くなってきています。

平成16年4月1日から旧報酬規定が廃止されて、実質的に料金が自由化になっているため、市場原理が働いている分、競争により報酬が下がってきているわけです。(平成23年4月1日より非事業者等任意整理事件の報酬金の『上限規制』が設けられました。)旧報酬規定なら過払い利息が200万円の場合、このようになります。

着手金16万円 + 報酬金32万円 + その他 = 48万円にその他費用を加算

その他費用も、それなりの金額になる可能性があります。弁護士が事務所を出て調停や示談交渉を行うと時間当たり1万円の報酬と交通費などの実費などは依頼主負担となり、債務整理の交渉相手次第では手間がかかってその他費用がかさむケースもあるでしょう。旧報酬規定では最低でも48万円またはそれ以上となります。

また旧報酬規定廃止されると、逆に高い金額にすることもできるわけで、不当に高額の報酬を請求するケースがあったり、実際は高額なのに安く見せかける広告で不当に債務整理の勧誘をするなどの状況が見うけられました。そこで日本弁護士連合会では債務整理などの弁護士業務の適正化と弁護士報酬の上限を規程することになりました。

債務整理事件処理の規律を定める規程

平成23年4月1日以降の規制で、消費者や零細事業者の債務整理に関して、着手金の上限はありませんが報酬金について上限が次のように定められました。

  • 解決報酬金  1社につき2万円以下。商工ローンの場合は5万円以下
  • 減額報酬金  借金の元本減額分の10%以下
  • 過払い金報酬金 訴訟なし場合回収額の20%以下。 訴訟による場合は回収額の25%以下

報酬金としてこの3種以外の名目の報酬金とこれ以上の金額は受け取ってはいけないということです。また、利息制限法による返済金額の計算しなおしや債権者との交渉などについて、何らかの手数料名目で別途報酬を受け取ってはいけないと定められています。

過払い利息が200万円、そのうち元本返済に180万円(借金の元本が180万円減額)で完済、残った過払い金が20万円となった場合、次のようになります。

  • 解決報酬金 2万円
  • 減額報酬金 18万円
  • 過払い金報酬金 訴訟なしで回収したなら4万円

合計24万円。これは相場ではなく日本弁護士連合会で規制している報酬金の上限ですからもっと安い場合もあります。

着手金と報酬金

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着手金とは?

弁護士の仕事は依頼主からの依頼内容を法的にかなえることです。しかし、その結果は必ずしも成功するとは限りません。着手金はその依頼に着手したことに対する費用なので、もしも結果が成功であったとしても失敗であったとしても弁護士に支払う必要があります。

依頼した時点で支払うものですが、弁護士費用の前払いではなく、委任契約を解除しても戻ってきません。「債務整理事件処理の規律を定める規程」でも上限は定められていませんが、通常の任意整理事件で想定されている事務処理を名目にして着手金を追加請求してはいけないと定められています。

ただし、依頼当初には想定されなかった訴訟になったり債権者が依頼主の申告以外にもいることが後で判明した場合は、別途その分の着手金が請求されることがあります。

報酬金とは?

依頼内容の成功の程度に応じて支払う費用です。つまり成功報酬ということになります。もしも離婚訴訟なら離婚が成立するかどうか?慰謝料を請求する民事事件ではいくらの慰謝料が受け取れることになったか?このような成功・失敗、または成功の程度によって金額も変化します。

また、消費者や零細事業者の過払い金請求や債務整理なら先述のような取り決めで金額が決まります。逆にまったくうまくいかなかったら払う必要のないものです。着手金と報酬金は、固定給+歩合給のようなものといえるでしょう。

委任契約書をしっかりと見極めること

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弁護士に依頼した時点で着手金を支払うことになります。しかも、それは解任しても戻ってきません。委任契約前によく弁護士と相談しておくことが大切です。一般法律相談は費用がかかりますが、委任契約するための相談は無料でやっているところもあります。

ただし、そのための相談が無料かどうかも事前に確認しておいたほうがいいでしょう。グレーゾーン金利や高金利での借金があり、返済も滞納しがちだとあわてて契約してしまうかもしれません。最初は弁護士費用が安くすむように見せておいて、後から高額な手数料などを請求されたケースもあります。

また、弁護士に依頼して債務整理しても借金はある程度残ることもあります。その分の返済を滞納すると、せっかく弁護士費用を支払って債務整理をしたにもかかわらずそれが無効になってしまうこともあります。そうなるとますます厳しい状況になることでしょう。

債務整理の結果、過払い金が戻ってくるのか、それともまだ借金が残るのか、または自己破産するほうがいいのか見通しを立てることも大切です。

慎重に弁護士を選んで債務整理の見通しを立てて、しっかりとした委任契約をしたいものです。そのためにも日本弁護士連合会のことは知っておくとよいでしょう。

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